こんにちは。
今回は前回の続き、他人を好きにならないタイプの人が「人生経験として恋愛してみたいなあ」と思ったときに「どうにかこうにか他人を好きになる方法」について考えてみます。
この記事は、下記気持ちの同志向けです。
「恋愛なんてわたしの人生になくてもいいわい! けど、人生経験として一度くらいはあってもいいかも」
「これまで人を好きになったことがないなんて変だと言われた。恋愛がしたいわけではないけど、モヤモヤするし、理屈を考えて反論したい」
「人なみにだれかを好きになったことはあるけど、最近よく分からなくなってきた。人を好きになるってなんぞや……?」
人を好きになる方法について書いていきますが、前回の記事に記載の通り、「必ずしも」恋愛が必要だと筆者は思っていません。
この記事は、その前提のもとに書かれるので、気楽に読んでみてください。
「好き」の定義
まず、前回のおさらい。「好き」という言葉の定義から。
下記はgoo辞書の例です。
[名・形動]
https://dictionary.goo.ne.jp/word/好き_%28すき%29/
好き=自分の気持ち/感情をある対象に向けるという意味でしたね。
疑問:人を好きになるには「感情」が必要なのか?
ここで筆者がふと思ったことをひとつ。
「恋愛に感情って必要なんですかね……?」
定義から言えば「YES」です。だって、「好き=気持ちを向けること」ですから。気持ちがなけりゃ、そりゃ恋愛できません。
でも、周囲を見てみると、もうとっくに好きでもないのに交際しているカップルっていますよね??
当たり前ですが、感情がなくても「恋愛関係」の維持はできるわけです。
*それを恋愛と呼んでいいのか、と聞かれると微妙。ただし社会的には「恋愛」のもと成立している関係なので、今回は感情のない交際関係も「恋愛」とみなしています。
恋愛の段階:成立と継続
こうしてみると、「恋愛」には2段階あると考えてよさそうです。
1:恋愛の「成立」段階
2:恋愛の「継続」段階
どんなに冷めきったカップルでも、交際したては鉄板焼きのごとく熱々だったのです。
ですが、継続段階になると感情だけでは成立しません。2人の関係性を冷静に見極める、理性的な部分が必要になりますよね?
ですから、この2つの段階には、それぞれ異なる要素が必要になると思われます。
1:恋愛の「開始」段階 →「感情」が絶対に必要
2:恋愛の「継続」段階 →「感情」は必ずしも必要ではない(「理性」が必要」)
この区分けは一見無意味なのですが、「人を好きになるってなんぞや?」との疑問を起点に考えると、面白いことが分かります。
恋愛の成立には「自覚的に他人を好きになる能力」だけあればOK。
それは、とりあえず「人を好きになる」ことが目的なのであれば「なにかを好きになる能力」さえあれば問題ない! ということです。
理性や理屈は不要です。交際したらお金が必要になるしとか、仕事や学歴が云々とか、相手には恋人がいるしとか、ああだこうだと、余計なことを考える必要はありません。
そして、感情のない人間はいません。(強度やムラはあっても)
ですから、問題は「なにかを好きになる能力」「気持ちを人間に向ける力」です。
さらに言うと、上記の力がないのであれば「自覚的に他人を好む訓練」をして「人間に対する嗜好性を持つ」ことができれば、他者を好きになる能力の獲得ができることになります。
この力をどうすればつけることができるか? という視点から、ちょっと考えてみましょう。
方法1:恋愛以外の「好き」=他人の「長所」を探してみる
そもそも恋愛以外でも「なにかを好きである」という状態になりづらいと、他人など意味のわからん動物を好きになりようがありません。
と、いうことで、まず恋愛以外で人間を好きになる訓練をしてみると良いかもしれません。
家族でも友人でもアイドルでも学校の先生でも、名前すら知らない人でも! 大切なのは「好き」の感覚を育むことです。
「でも、どうやって「好き」を自覚するの?」と思う場合は、他人と接触するときに、その人の優れている部分、好ましいと思われる部分を探してみましょう。
(例:顔がいい、話し方が上品、親切で優しい、服装がすてき、意見が独創的で面白い、変わった経歴を持っている、家族と仲が良い、歌が上手い、自立した人である…etc)
さらに、その好ましい部分を当人と共有できると、周囲がハッピーになるので、より良いかと思います。
自分の「好ましい」を他人に伝えることって想像以上に大切で、認めてもらえて嬉しくない人ってあんまりいません。
だから、他人から「そう言ってもらえて、うれしい!」という反応を貰えると「あ、わたしの好ましいという気持ちは良いものなんだ」と思えるきっかけにもなります。
すると、より人の長所に気づきやすくなり、好ましいと思える人が増えます。好ましいと思える人と一緒にいる方が人生楽しいので、人生が愉快になります(たぶん)。
と、いうことで人の長所探し、おすすめです。
方法2:とりあえず、だれかと交際してみる
形から入るのもアリでしょう。
マッチングアプリ全盛期の今世。出会う方法なんて、いくらでもあります。
とりあえず、だれかと会ってみて交際してみると「恋愛とはなんぞや?」の回答が見つかるきっかけにはなるかもしれません。
ですが、ここで注意点がひとつ!
当然ですが「交際した=好きな気持ちが芽生えた」ではありませんよね?
交際した後に好きになれたなら万歳ですが、そうではない場合「やっぱり人のことを好きになるなんて無理じゃろ、自分」となって匙を投げることに……。
もし、だれかと交際するにしても、少しも興味のひかれない人と交際するのは止めたほうが良いでしょう。
あくまで「人を好きになる能力」の獲得が目的で、「彼氏/彼女を作ること」が目的でないならば、この方法はあまりオススメしません。
交際すれば、接触する時間も多くなり、恋愛特有のコミュニケーションも増えるので、経験値は確実に稼げます。
でも、そこで、
「めっちゃ触ってくるじゃん! いや無理! 気持ち悪い!」となったり、
「好きだ好きだと言われるけど、こちらはまったく好きじゃないぞ……疲れはてた」となったら、
本末転倒です。
とりあえず飛びこむ姿勢は、積極的ですばらしいと思うのですが、感情に関しては一朝一夕で育つものでもありません。
のんびりとマイペースに、自分の感情育成を優先したほうが良いかもしれません。
方法3:疑似恋愛をして、「恋愛」に憧れを持ってみる
方法1と似通っていますが、疑似恋愛は有効な方法です。
少女マンガを読んだり、恋愛モノのドラマ・映画を観た経験がない人は、そこから始めてみると良いかもしれません。
まずは恋愛に憧れてみるのです。
これは筆者の体験ですが「ああ、恋人と浴衣で花火大会に行ってみたい! それを経験してみたい!」と思い、それが恋愛の動力になったことがありました。
笑えるくらい軽薄な理由ですが、それで良いと思います。
「ルーフトップバーでロマンチックな夜……というやつを経験してみたい!」とか、
「彼シャツを着た彼女とお家デート……というやつを体験したい!」とか、
「とにかく一生に一度でいいから、イケメン/美女と交際してみたい!」とか。
そんな下衆な……と思われるかもしれませんが、下衆=素直な気持ちです。その素直な憧れを自覚することも大事です。
恋愛ってきれいな部分もありますが、そうではない部分も当然あります。人間の感情なので、びっくりするほど崇高であると同時に、吐き気がするほど低俗なものなのです。
きれいな部分も、下衆な部分も、全部の自分を認めて、欲望に素直にいきましょう。
と、いうことで「それがリアルかどうかは置いておいて、憧れを持つ」ことは「好きの気持ちを獲得すること」への原動力になるかもしれません。
方法4:意図的に「好きになる気持ち」を遮断していないか疑う
これは他の方法と少し違う視点になるのですが「自分には人を好きになる資格がない」「恋愛してもうまくいかない」と思っている場合、その原因になる「好きになる気持ち」をあえて無視している可能性があります。
筆者の友人で、こんなケースがありました。
彼女はとても優秀で賢く、だれもが知る企業に勤めています。
彼女には、学生時代の友人に長年片思いをした末、告白したのですが、思いが叶わなかった過去があります。
その後、彼女は社会人になるまで、だれかと交際することもなく、人を好きになることもありませんでした。
ある日、筆者が彼女と食事に行ったとき、彼女の職場に非常に魅力的な男性がいるという話になりました。彼女とその男性は仲が良く、職場以外でも個人的に連絡を取り合う仲です。
恋愛脳の筆者は、当然飛びつきました。
「あなたのことが好きなんじゃない? その人、彼女いるのかな」
しかし、彼女は首を横にふります。
「たしかに格好良いし、頭も良いし、仕事もできるけど……そういうんじゃないんだよね。あくまで友達」
筆者は反省しました。男女の仲が良いからといって、必ずしも恋愛に結びつけるのは悪い癖です。
その話はそこで終了。問題は数ヶ月後に起こります。
「例の彼とは仲良くしてる?」
そう筆者がたずねると、彼女はひとしきり爆笑した後、声を荒げて一言。
「いやいや、無理。あんなやつと付き合ってらんないよ!」
あんまりな勢いで彼を罵倒し始めるので、話を聞くと、どうやら仕事関連の雑務で、ふたりで出かけることになった際、彼が彼女の気にいらないことを行なったようです。
しかし、わたしは首をひねりました。彼女の様子がおかしかったからです。
詳細は書けませんが、たしかに彼の行いは、人によっては「子どもっぽい」と捉えられてもおかしくない内容でした。
ですが、人を傷つけたり迷惑をかける行為ではなく、むしろ彼女との時間を楽しくしよう! と思ってやった行いであるように思えたのです。
とはいえ、彼女はひどく怒っており、その話をした一日中「あんなやつに時間を使うのは無駄!」と繰り返していたので、彼女にとっては不愉快な出来事だったのだろうと思い、それ以上は疑問を抱きませんでした。
それから半年ほど経ったでしょうか。彼女はとあるきっかけで、ダイエットに成功します。
もともと可愛らしい人ではあったのですが、筆者から見てもびっくりするほど綺麗になり、見違えたようでした。
そして、彼女がダイエットに成功してから放った一言が「今思えば、彼のことが好きだった」でした。
さすがに筆者は口に出して「やっぱり!」とは言えませんでしたが、心の中では納得しました。
彼女は過去の恋愛のコンプレックス、自分へのコンプレックス故に「好き」という感情に拒否反応が出る状態だったのです。
そのため「(業務上とはいえ)二人で出かける」というシチュエーションになり「好き」という感情が自覚的になり始めたときに、自己防御として「彼が嫌い」という意識の方向転換が起こったのですね。
その後、彼女はその時の彼とは別の男性と交際しています。
少々長くなりましたが、彼女の例からわかるように「意図的に感情を遮断する」ということは起こりがちです。特に過去に辛いことがある場合。
無理やりそれを克服する必要は、もちろんありません。
でも、もし「だれかを好きになってみたいなあ……」という思いがあるなら、下記を疑ってみてください。
・「自分のことなんて、だれも好きにならない」という気持ちがある。
・「なにをやってもどうせ上手くいかない」という気持ちがある。
・「自分は可愛くない/格好よくない」という認識がある。
過去の悲しい/辛い気持ちが自己卑下を生むのは、とても自然なことだと思います。
昨今、自己肯定感万歳の世間ですが「自己卑下=自分を守るために自然に行われる行為」なんです。
だから、今のあなたが「わたしってゴミ」と思っていてもOKです。別にそのまま思いつづけていても、なんら問題はありません!
でも、もしそれに少し飽きてきたら。
また「わたしってゴミだけど、ゴミなりにだれかを好きになる資格はないだろうか……?」という疑問が少しでも湧いてきたなら。
上記の認識を変えるタイミングが来ているのかもしれません。
ちょっと趣旨がズレるので、一言しか書かないのですが。
人間の特徴/形態なんてどんぐりの背比べだと筆者は思っています。ですから、だれかが、だれかより、めちゃくちゃ劣っていたり、醜かったりするわけがないのです。
その中で、なぜ差異が生まれるのか、というと。
それは結局「自分/他人とどう関わるのか?」という命題に関わってくるのかな、と思います。
自己意識の中で、自分とどう向きあっていくのか。
また、その向きあった自分を、他人に対して、どのように提示していくのか。
その繰り返し、その行為が差異を生むのだとしたら、その問題は、時間はかかるかもしれませんが、自分と他人さえいるならば、いつでも解決可能ということになります。
これはポジティブシンキングにすぎるかもしれませんが、あまり深刻に考えすぎないことも時には大事だと筆者は思います。
まとめ:人を「好き」になるには?
以上、他者を好きになる能力の獲得を4つの方法で考えてきました。
ここまで書いてきてなんですが、やっぱり他者を好きになることにおいて大切なのは「自分への向きあい方」「自己認識のあり方」ですね……。
人間は鏡像である、というのは本当かもしれません。
グダグダと書きましたが、「結局、自分はどうしたら良いの?」と思われてしまっては問題ですので、話をまとめていきます。
確実に言えるのは案外、みんな「これぞ恋愛!これが好きという感情!」とは明確に理解していないということです。
みんな、テキトーに生きてます。テキトーな気持ちであいつが好きだ嫌いだと、言っているものです。
ですから、もし今のあなたが「好き」という気持ちがわからないのであれば、わからないこと自体を大切にすること。
「わからん!」という素直な感情のほうを優先しましょう。
それでいて、もし心地よいと思えるもの(人間ではなくて、物体でも環境でもOK)好きだと思えるものがあれば、それを追求しましょう。
それがいつか他人への、そして恋愛的な意味での理解への手掛かりになるかもしれません。
と、いうことで今回は「人を好きになる方法」について考えてみました。
次回は、感情を自覚する方法について考えてみようかな〜と思っています。
今回の方法4にも出てきましたが、自分の感情を自覚できるかどうかって重要なことだと思うので。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。
ではでは。