どうすれば感情を自覚できるか?
前回に続き、今回は考えすぎる性格を改善するための記事を書いていきます。
考えすぎを直すには、自分の感情を自覚することが重要です。今回はこの「どうすれば自分の感情を自覚できるか?」について考えていきます。
そもそも「感情」ってなんだ? と思われた、そこの人。
今回も定義から確認してみましょう! 下記はgoo辞書の抜粋です。
かん‐じょう〔‐ジヤウ〕【感情】 の解説
物事に感じて起こる気持ち。外界の刺激の感覚や観念によって引き起こされる、ある対象に対する態度や価値づけ。快・不快、好き・嫌い、恐怖、怒りなど。「—をむきだしにする」「—に訴える」「—を抑える」「国民—を刺激する」
https://dictionary.goo.ne.jp/word/感情/
では、「気持ち」とはなんでしょう?
き‐もち【気持(ち)】 の解説
https://dictionary.goo.ne.jp/word/気持/
1〜5が今回の場合に該当しますね。
どうやら、物事に接したときの心の状態=気持ちのようです。
ここで面白いことがわかりますね! つまり、感情(=気持ち)には、「感情を揺り動かす物事」が必要ということです。
なにを当たり前のことを言っているんだ?
すみません、そう思うかもしれません。しかし、感情が自然発生するわけではない! という点は重要なところなんです。
影響された物事をしっかりと認識することが、感情の自覚を促すわけですね。
と、いうことで定義がわかったところで、いよいよ本題に入りましょう。
自分の感情を書きだしてみよう
携帯のメモ機能でも、ノートでも、なんでも構いません。
思うままに自分の感情を書きだしてみましょう。
ここで大切なのは、ありのまま、思うままに書くことです。
思うままに書けって言われてもなあ……あんまり文章を書くのは得意じゃないんだよね
そう思う人は、頭の中の声をそのまま書きだすイメージで書いてみてください。
例えば、仕事で失敗してしまったとしますよね? その時、あなたはこう思います。
ああ〜仕事で失敗しちゃった。つらすぎる。明日、仕事行くの嫌だな〜、上司とも同僚とも顔合わせたくないよ。っていうか、仕事やめたすぎる。なんで一日8時間も働かなきゃいけないんだろう。というか、そもそも今回の失敗も自分だけのせいじゃないのに、なんで自分だけ責められるんだろう。上司がきちんと書類を確認してくれていれば、防げたミスなのに。だいたい仕事量が多すぎるんだよな、自分の処理能力が低すぎるのが問題なのかな。とにかく仕事嫌すぎる。というか上司が嫌いすぎる。早く○なないかな、あのクソ上司etc……。
これを、そのまま書きます笑
こんなんでいいのか? と思えるくらい、正直に書いてください。
上記の心の声には、道徳的に問題があること、責任転換に思えること、そんなことも書いてありますが、それもそのまま書きます。
そうすると、だんだん書くことがなくなってきます。これが大切です。
書くことがなくなる=堂々巡りの考えが落ちつくことになるので、考えすぎが防げるんですね。
さらに、気持ちが落ちついてくると、書いた文章を客観的に読めるようになります。
そうすると、感情的な反応から建設的な考えに移ることができます。感情を書きとめるうちに考えを進展をさせられるんですね。
上記の例の場合だと、
最近、業務が立てこんでいてダブルチェックをする時間がなかったのが原因だな。やってしまったミスは仕方がないし、明日は上司の反応は気にせず仕事をしよう。疲れているみたいだから、次の休日はマッサージにでも行って自分を甘やかそう。
こんな感じに若干ポジティブになることもできます。
もしかするとこの文章を読んで「無責任な! 上司にミスを謝れ、反省しろ!」と思う人もいるかもしれませんが、そう思う人にほど、この方法は試してみてほしいです。
と言うのも、考えすぎ人間には責任感が強すぎる人が多いです。
周囲から得る情報が人よりも多かったり、他人の状況に気がつくため、「あのとき、わたしがこうしていれば……」と思ったり「あの人にも事情があるから……」と思ってしまうからですね。
でも、このケースで大切なのは、自分を元気づけることです。
感情的な堂々巡りの原因は、人に迷惑をかけてしまった罪悪感、うまく物事が進まなかった無能力感、つまり自己否定的な気分により起こることが多いです。
自分の感情を第一優先にすることは、一見悪いことに思えます。
でも、自分の感情の処理をしないと、最終的には他人にさせることになります。
この場合は、人に八つ当たりしてしまったり、仕事を辞めることなる or 休むことになって会社に迷惑をかけたり、精神的に落ちこんでしまって家族に心配をかけたり……。
言い方は悪いですが、ゴミ処理のようなものです。きちんと自分の不要な感情=ゴミを処理できるようになれば、他人によりよく振る舞うことができるようにもなります。
と言うことで、罪悪感は持たずに自分の感情第一優先でいきましょう!
多すぎる情報から距離を置いてみよう
極端な話をしますが、考えすぎ人間にとって情報は毒です。
水が人間に必須でありながら、飲みすぎると水中毒になってしまうように、情報も摂りすぎ厳禁なんです。
特に考えすぎ人間は、いわゆる気がつく人が多いです。
人の些細な感情の変化に気がついたり、ちょっとしたニュースに引っかかって考えこんでしまうのです。
心当たりのある人は下記方法を試して、情報量を強制的に少なくすることをオススメします。
一緒にいて疲れる人と心理的な距離を離す。
うわさや悪口が多い人、ネガティブな発言が多い人、なにかと自分が気を使う立場になる人、そんな人たちからは、いったん距離をとりましょう。
ただ、その人たちはあなたの大切な人だったり、家族だったりするかもしれませんね。
そんなときは、彼らの疲れる発言から心理的な距離をとるようにしてみてください。
どうやって心理的な距離をとるの?
具体的には、こんな方法があります。
・同情的にならず、共感をしないようにする。(言葉上だけの共感にする)
・一定以上は親切にふるまわず、意見も無理に合わせない。
・相手がすべて正しいとは思わず、そう思わない自分に罪悪感を抱かない。
そんなことをすれば冷たい人だと思われるよ……無理だって!
もしかすると、そう思われるかもしれません。
でも、極端にする必要はないんです。
たとえば、家の問題で大変な境遇の友だちがいるとしますよね?
その人は、だれがどう考えてもサポートが必要な状況です。
あなたはその友だちの話を聞いてあげています。心から友だちを支えたいと思っています。
とはいえ、疲れは出るんです。たとえば、あなたが友だちの愚痴を聞いてあげていたら、それに共感する疲れはどこかに溜まります。
それが一定の量なら良いでしょう。
ですが、その友だちが毎日毎日連絡をしてくるようなら? 毎回毎回あなたが、泣いている彼女を慰めなければならないなら?
それが負担になっていると自覚したならば、あなたはあなたのサポートが必要です。
少しずつでも、友だちと心理的な距離を離しましょう。それは悪いことではなく、友だちのサポートを続けるためにも必要なことです。
SNSを辞める
嫌な気分にさせてくる投稿があるSNSはありますか?
たとえば、こんな感じに。
・友人の海外旅行投稿。
・昨今の社会情勢に関する、非常に納得できる意見。
あれ、どちらも得られて良い情報だよね? こういった情報で嫌な気分にはならないよ。これらを得られるなら、辞めないほうがいいでしょ!
そう思うかもしれません。ですが、本当にそう思っていますか?
キラキラした友人の海外旅行投稿。
元気なときなら良いでしょう。
しかし、仕事で残業続きの時、恋人と喧嘩してどん底の気分の時、それを「イイね!」なんて明るい気持ちで見られますか??
ふ〜ん、恋人と楽しそうでいいな〜〜〜わたしは今日終電帰りなのに……
なんて思っても、人間ですからね。まったくもって自然な感情です。
そして、社会情勢への意見。
大人として、数々の意見に触れることは本当に大切なことです。
ですが、次々にタイムラインに流れてくる意見の対立、知らない人たちの辛辣な言葉による討議、それらを見ていて疲れませんか?
これらをずっと辞める必要はありません。
ですが、もし普段過ごしていて「疲れたな……」と思う機会が多いのであり、SNSばかり見る生活を送っているのであれば、いったんインターネットから距離をとることを検討したほうが良いかもしれません。
インターネットは世界中から無限に情報が湧いてきます。この記事を読んでくださっている考えすぎ人間の中には、知的好奇心が強く、新しいことを常に入手できるSNSが手放せない人もいるでしょう。
そんな人は、複数のSNSを使うのを辞めましょう。
これは筆者の体験ですが、社会人になると同時にX(旧Twitter)を辞めたんですね。
高校時代からの同級生のほとんどが使っていたので、辞めるのは勇気がいりましたが、辞めてからは、だいぶ気持ちが楽になりました。新商品の情報や好きな芸能人の近況などを知るには便利だったのですが、それ以上に友だちの愚痴や知らない人々の意見の奔流に、疲労していたんですね。
「まあ、いいか」と言ってみよう!
上記方法で感情を自覚し、少し冷静になったかと思います。
でも、やっぱり考えちゃうよ……問題がまったく解決していないんだもの!
そうかもしれません。ですが、そこにこそ落とし穴があるのです。
人間の考えるすぎる所以、それは結論を出そうとしてしまうことです!
ですが、たいていの悩ましい物事はすぐに解決できません。それにも関わらず、考えすぎ人間は、
いや、どこかに結論があるはず……! 解決するまで考えつづけるぞ!
と、思考の堂々巡りを続けてしまうのです。
ですから、上記1と2の方法で考えを整理できて、それでも思考が止まらないのであれば「まあ、いいか!」と思考を意図的にストップすることも必要です。
以前記載した記事「相談に乗る」とはなにか?(wata-wata-soudan.com/what-is-soudan/)でも書きましたが、大抵の物事は解決に時間が必要です。
なのに、まじめな人、優しい人ほど、その物事に真剣に向きあうあまり、すぐ解決しようと考えすぎてしまうのです……。
そのエネルギーを有効に使うには、解決しない物事にいったん見切りをつけることが大切です。
限られた時間を大切にするためにも、考えすぎ人間の自覚がある人は「まあ、いいか!」を意図的に言うことを是非おすすめします!
肩の力を抜いて、思考から離れよう
ここまで感情の自覚=客観視をすることで、考えすぎを防ぐ方法について記載してきました。
もちろん、上記方法を使っても、人間ですから考えすぎてしまうことはあります。
筆者の経験からですが、考えすぎる人たちに必要なものは肩の力を抜くことだと思います。
ですから、いろいろ書いてきましたが、自分のことを甘やかしたり、リラックスする時間を意図的にとることが最も大切です。
考えすぎ人間の皆さん、十分ご自愛してください。そして、考える力を良いことに使えるように、考えないことを頑張りましょう……!
と、いうことで2回に渡って、考えすぎることについて考察してきました。
次回は恋愛と友情の違いについて書いていきます。
それでは、読んでいただきありがとうございました! ではでは。